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在宅介護のトラブルが増えていますが、その中でも大きな問題になっているのが認知症高齢者によるトラブルです。認知症の症状のひとつに「徘徊」がありますが、家族が目を離したすきに自宅を抜け出して徘徊し、事故に合うケースが増えています。
介護士は要介護者を介護するのが仕事なわけですが、24時間365日たえず側に付き添っているわけではありません。要介護者の自宅を訪問する訪問介護であれば週に数回ですし、入居型の介護施設で働いている場合でもシフト制で勤務しているため、毎日休まず介護をしているわけではありません。しかし、自宅で介護をしている家族は24時間365日一緒に過ごしているため、介護ストレスを抱えやすい環境にいます。もし、在宅介護を行っていなくても介護施設に要介護者を入所させている、という事実に罪悪感を持っている人も少なくありません。また、身内の介護を他人に委ねることに抵抗感を持つ人もいます。
在宅介護を行っている家族のほとんどが「自分の気持ちを理解してほしい」「苦労していることを分かってほしい」と思っています。そのため、介護士は要介護者を介護するだけではなく、家族の気持ちに寄り添うことも大切です。
「最近忙しいようですが大丈夫ですか?できることがあればおっしゃってくださいね」や「毎日来ていただきありがとうございます」、「身体を壊さないように息抜きすることも大事ですよ」といったように、体調や精神面をケアするように声をかけどのような様子か確認しましょう。些細な会話から家族の抱えているストレスに気付いてケアすることができます。
在宅介護を行っている家族は要介護者の介護に追われるため周囲から孤立しがちです。そのため、接する時は「気にかけておけば大丈夫な状態」なのか、「積極的に介入しなければならない状態」なのかを見極めることも大切です。もし、危機的状況だと感じた場合は積極的に介入していく必要がありますが、相手の生活に踏み込むことになるため、怒らせたり傷つけたりする可能性があります。ですが、そこで気後れして見逃してしまうと取り返しがつかない事態に発展してしまうかもしれません。そういった事態にならないようにするには、家族から怒られようが嫌がられようが勇気を持って踏み込んでいくことが大切です。
時には「介護士の思い過ごしや考えすぎで問題はなかった」という場合もあるかもしれません。不快な気持ちにさせてしまうため、クレームになるかもしれませんが、心の底から家族や要介護者を思い、その気持ちで行動したのであれば、不本意に思っても最終的には理解してもらえるはずです。
介護をしている家族の中には長年の介護経験から専門的な知識を持っている人もいます。介護士と同じように要介護者と接することができ、豊富な経験を活かせるように介護の仕事に就く人もいます。そういった人は介護をしている家族の気持ちを敏感に察することができるとあって、介護の現場で大活躍しています。